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野球肩は投球フォームと繰り返す外力により発生します。
では具体的にどの部分がどのように負荷がかかっているのかご紹介致します
投球動作は突発的なストレスで発生することもありますが、大半の場合は繰り返しの外力〔オーバーユース〕で発生します。
そのため肩や肩甲骨の可動域を正常に保つことは周知のとおりだと思われます。
具体的にどの関節、どの筋肉、どのような動きが制限されるのかご紹介いたします。
主に投球動作で硬くなってしまう関節は肩甲上腕関節※1肩甲胸郭関節※2という関節です。
肩甲上腕関節は肩を横に上げそのまま水平に動かす役割をしています。具体的に投球動作のトップを作る際の動作となります。
肩甲胸郭関節は胸椎と肋骨の動きが関係しています。投球動作としては体幹のタメを安定させる動きと腕を振る動作、トップの位置からフォロースルーまでの動作に上記の二つの関節が連動し動きます。
この二つが硬くなることによって投球動作の時に腕を上げる三角筋、腕を外向きにする棘下筋、腕を後ろに持っていく小円筋、肘を伸ばす上腕三頭筋も硬くなってしまい肩と肩甲骨の動きが制限されてしまいます。
野球のスポーツ特性上、ボールを早く遠くに投げる際に肩甲骨の動きはとても重要だということは広く知れ渡っている事ですが具体的にどのような状態の事なのかをご説明致します。
・投球障害肩(野球肩)の発症者はテイクバック時の上肢帯の可動域が小さかった
社会人野球選手11名を対象にピッチング内容をカメラを用いた動作分析を継続的に胸鎖関節運動の計測をおこなった結果、胸鎖関節は肩鎖関節などともに連動して動く事が知られており、肩甲骨の運動も含めた上肢帯全体の運動の指標として考えている、テイクバック時に胸鎖関節の前方移動角の可動域が小さかったことは、肩甲骨の前方への移動も小さかった事を示唆する。この結果は肩の愁訴を訴えていた一人が漏斗胸のため肩甲骨の可動域制限があったことと一致し本研究結果の妥当性を支持するものである。一方で胸郭と上腕の運動を示す肩関節水平内転角では角度差は認められなかった、つまり胸鎖関節での不足分を肩甲上腕関節が大きく動く事により補っていた事を意味する。このように上肢帯の運動制限により肩甲上腕関節の負担が増加し関節唇損傷に至ったと考えられる。 日本野球科学研究会第三回大会報告集 p54〜p55参照上記の内容を簡単にまとめると・・・
②の時に肩甲骨の可動域が小さいことで肩が前に出る、【野球関係者の間では“肩が突っ込む”】などという状態となり、肩への負担が大きくなり野球肩となると記載されています。 野球肩自体、突発的に発生するのではなく繰り返し軽微な外力によって発生するケースが多数なため投球動作フォームや肩甲骨や肩周りの柔軟性は大変重要な要素となります。