1.スキンストレッチとは?
1-1. 定義と目的
スキンストレッチ(skin‑stretch)は、皮膚とそのすぐ下にある浅筋膜に対して、専用の器具を用いて「摩る・伸ばす・寄せる」といった操作を行うことで、筋膜の滑走性を改善し、身体の痛みや可動域の制限を緩和する施術法です。
浅筋膜とは、皮膚のすぐ下にある結合組織で、筋肉・腱・靭帯・骨などとつながっており、全身の動きに大きく関与しています。
1-2. 背景と注目される理由
- ラグビー日本代表やトップアスリートも導入している注目の施術法。
- 筋膜リリースの進化版として、よりソフトで即効性がある。
- 高齢者やリハビリ、介護の現場でも効果が実証されている。
- 道具を使えばセルフケアにも応用可能。
1-3. メカニズム(なぜ効くのか?)
- 滑走性の改善:皮膚と筋膜が滑らかに動くことで、関節の可動域が広がる。
- 痛覚調整:皮膚への刺激により、痛みの神経が一時的に抑制される。
- 浅筋膜の癒着緩和:筋膜と皮膚の癒着をゆるめ、柔軟性を回復。
- 血行促進と組織の修復:摩擦刺激で血流が良くなり、組織の回復をサポート。
2.施術の流れと方法
2-1. 使用する器具
専用のスキンストレッチツール(ドルフィン・シーガルなど)を使用。ステンレス製やチタン製で、肌に優しく、安全に施術可能です。
2-2. 施術ステップ
- 評価:皮膚の動かしやすい方向、硬さを確認。
- 施術:滑りにくい方向に軽く器具を滑らせ、皮膚と筋膜の癒着をほぐす。
- 再チェック:施術前後で可動域や痛みの変化を確認。
- セルフケア指導:自宅でも続けられるように、簡単な方法をレクチャー。
2-3. セルフケア
専用器具がなくても、指で皮膚を摩るだけでも効果はあります。1日数分から始められ、継続が重要です。